ヨシ刈り　西之湖園地、近江八幡市

2020.1月25日 福村　俊明

当市「市民自然観察会」主催　表題の催しが作日行われ、参加しました。　今年初めての行事。　朝方

最低気温5℃、予報通り、びわ湖から北風やや強く、冷え込みましたが、時間が経つにつれ、小止み、日が

差し、晴れ模様、絶好のヨシ刈り日和でした。　　主催者変わりで、春先まで何回か行われます、最低2回

参加を心掛けています。

現場は当市の北東　びわ湖最大の＊内湖「西之湖」園地周辺、ヨシ群落のほんの一角です。　＊びわ湖と

水路で繋がり、総面積221ha（甲子園球場の約57個分）。　ヨシの茎が全体的に細く、生育はあまり良く

ない様、現場には厄介な植物ーアシやセイタカアワダチソウ(変色して茎が固い)、枯れ草等ーが繁茂して

混じり、毎年の事ながら、刈り取り・より分けに於いて作業効率が落ちました。　

休憩一回を挟んで、実働　刈り取り作業ー1時間30分、より分け・束ね作業ー約40分。　刈り取りは鎌を

手にした中腰作業、実働時間がこの程度なら、この年でも苦になる程でもない。　参加者が極めて少人数

ながら、時間が経つに連れ、刈り取り跡が広がり、ささやかな成果をあげて、正午前作業を終了しました。

西之湖園地周辺は風光明媚の地、周りはヨシ群落、今　一帯が草紅葉色に染まり、壮観。　東　左上に繖山、

西の湖を見下ろす位置、安土山、猪子山を従える。　その左後方　彼方に伊吹山が聳え、その大分右に

霊仙山、西は八幡山の北屋根が延びる。　北は低い里山。　園地から遊歩道に出ると、西から東にかけて

近江平野が広がり、眺望良し。　

ヨシは水の浄化・水鳥･魚の住み家・繁殖地として貴重、又ヨシ地は水郷景観の重要な構成要素を成す。　

当市は平成18年1月26日「近江八幡の水郷」として国から重要文化的景観第一号に選定された。

ヨシは五穀豊穣を願う、当地の左義長まつり、等に於いて三角錐の松明や張りぼての人形作りに伝統的に

使われています。　全盛期はよしず・衝立(ついたて)・障子加工などに使われたり、屋根を葺く材料として

広く用いられ、家内産業も栄えた。　昭和の後半期頃から生活様式の変化、中国などから安価な輸入品が増加、

後継者不足問題もあり、競争できなくなった。　一方ではヨシ群落の保全・存続が岐路に立たされた。　

今は八幡祭りの松明・飾りに使われるほか、ノート・便せん・名刺などの紙製品やインテリア装飾、ヨシ笛

などに用途が限定。　行政による財政面での援助はもちろんだが、ボランテイアによる労力提供など社会的

サポートが不可欠となり、その一環としてヨシ刈り体験が行われて来ました。

琵琶湖国定公園 湖岸緑地　「西之湖園地」　　　　　　　　　　　園内から北を望む　　

園内　南西　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　ヨシ刈り現場

現場から東を望む　 現場の西

手前 安土山　後方 繖山　左端 猪子山　　　　　　　　　　　　　　　

現場　右側(南西) 現場　左側(東)

刈ったヨシが段々増える　　　　　　　　　　　　 手動刈り現場の裏側に機械刈り現場 大部分は既に刈り取り済み

刈り取り終了場面　　　　　　　　　　　　 刈り取ったヨシをより分け、束にしてさおに立てる、ささやかな成果

https://gyazo.com/1ee954dfe8c0eaf01a44155becabbe04

ヨシ原の彼方後方　伊吹山(日本百名山)をアップ撮り、写りが良くないが、広範に冠雪しています

上の風景を遠望　　　　　　　　　　　　　 遊歩道から眺めた近江平野と繖山